アクリル画初心者が描き方を学ぶ前に知っておきたい「下地づくり」について

こんにちは。絵描きの朝日辿(あさひたどる)です。デザイン大学でヴィジュアルデザインを学び、卒業後アクリル画を専門に絵を描いています。
このサイトはアクリル絵の具を使った絵の描き方や、画材の使い方などを初心者の方にもわかりやすく、ゆる〜く紹介していくサイトです。

この記事を訪れてくださった方の中には、これからアクリル画を始めようと、いろんなネットの記事を参考にしながら必要な道具をそろえてきた方も多いのではないでしょうか。
すでに、少し絵の具に触れてみたり、何か描いてみたりしたでしょうか?新しく絵の具を開ける時、真っ白な画用紙をめくる時、ワクワクしますよね。

これから絵を始める皆さんには、そのワクワクした気持ちをぜひたくさん感じながら、楽しみながら描いてほしいなあと思います。そして、絵を描く仲間が増えていったなら、嬉しいなと思いながら、今この記事を書いています。

さて、道具がそろったら、いよいよ描いていくわけですが、本格的に描き始める前に知っておきたい「 下地づくり 」という工程があります。

キャンバスや画用紙など、絵の具を乗せる土台のことを支持体と呼びますが、その支持体の素材、状態によっては絵の具を乗せる前に、その土台を整える為の下準備が必要です。

TADORU
例えるなら、苗を植える前に育ちやすいように畑の土を耕しておくよ、みたいなイメージです。

今回は、代表的なキャンバス、木製パネル、紙、3つの支持体の下地づくりについて解説していきます。

 

初心者向けアクリル画の描き方【下地づくり】〜キャンバス編〜

キャンバスは木枠に布(麻や綿などの目が粗いもの)を張ったものですので、そのまま絵の具を塗るとキャンバスの表面の凹凸や繊維が目立つことがあります。

それから、絵の具が染み込みすぎてしまい、発色が悪くなるんですね。

下地材を塗らずに描いた場合

それらを解決してくれるのが「 ジェッソ 」という白い下地材です。

画像はリキテックスのものですが、他にもいろんなメーカーさんのジェッソがありますよ。

これを刷毛やローラーで薄く塗ります。
(塗って乾かした後にヤスリをかけると更に滑らかになりますよ)

なんだか、面倒そう…と思った方、大丈夫です。ひとくちにキャンバスと言っても、既に下処理をしてあり、すぐ描ける状態のものも販売されているので、(というか、処理済みのものの方が多いかも?)初めは下地処理済みのキャンバスを用意するのがおすすめです。ネットで「アクリル画用 張りキャンバス」とかで検索すると見つけやすいかと思います。

この時に注意したいこと
キャンバスには、「水性キャンバス(アクリル用)」と「油性キャンバス(油絵用)」の2種類があります。油性キャンバスにアクリル絵の具で描くと、絵の具が弾かれたり、剥離が起きたりして、定着しないことがあります。ビニールに水性ペンで描くとインクが弾けて書けない…!という経験ありませんか?あんな感じのことが起きます。ですので、キャンバスを選ぶときは、「 水性キャンバス(アクリル用) 」のものか、「 油彩・アクリル兼用 」などと書かれているものを選びましょう。
水分が多い下の段が弾かれちゃってますね

 

初心者向けアクリル画の描き方【下地づくり】〜木製パネル編〜

木製パネルもキャンバス同様、そのまま絵の具を塗ると、絵の具が吸収されすぎてしまたり、ささくれや凹凸があったりして、うまく絵の具が乗りません。

ですので、パネルの場合もジェッソを塗っていきます。

私は以前、木目の風合いを残したくて、あえてジェッソなどは塗らずに直に描いていたことがあります。そういった表現をしたい人は塗らないという選択もアリかもしれません。(※ただ、画面の保護方法は考える必要がありそうです。それはまた別の機会に書きたいと思います。)

その時の感覚としては、絵の具の水分量に影響されやすい。木目に沿って意図しない滲みが出たり線が入ったりして、ねらい通りの表現は難しいと思います。

ジェッソを塗らずに絵の具を塗った場合

基本的な描き方をまずは試してみたい人には、必ずジェッソを塗ることをおすすめします。

 

初心者向けアクリル画の描き方【下地づくり】〜紙編〜

紙の場合はもともと平らなものが多いので、ジェッソなどの下地材を塗ることはあまりしません。ただ、そのままだと水分で紙がふにゃふにゃになってしまうので「 水張り 」という作業をします。簡単に言うと、パネルに紙を貼り付けて固定します。これをすることで、描き進めても紙がぴんと張った状態を保つことができます。描きやすさが格段に変わるのでぜひマスターしてほしいです。それから、もう1つのメリットとして、パネル張りしてあればそのまま飾ることもできますよ。

水張りに必要な道具

水張りに必要な道具〉・木製パネル ・刷毛 ・画用紙など、使いたい紙 ・水張りテープ

【紙について】
紙はパネルより少し大きい、水張り用のものを用意しましょう。パネルのサイズが小さめであれば、大きな紙を自分でカットして大きさを合わせて使うのも◎

私が今回使用しているパネルは正方形なので(手元に正方形しかなかった…)、サイズに合わせてカットしました。

Point
だいたい、↑画像の状態で紙をパネルの縁に沿って折り上げた時に、パネルの厚さの半分くらいが紙で隠れるくらいが丁度良いと思います。

【刷毛について】
刷毛は画材屋さんで売っている水張り用のものもありますが、ホームセンターなどで買える使いやすいものを選んでも大丈夫です。毛が柔らかく、幅広いものがおすすめです。

次に水張りテープをパネルの辺の長さに合わせて切っておきます。 長さはちょっとオーバー気味に切りましょう これを先にやっておくと後で慌てないですよ。全部で4本準備します。

そうしたら、パネルの上に紙を置いて刷毛でまんべんなく水を塗っていきます。
結構思い切って濡らしちゃって大丈夫ですよ。
 この時、表裏のある紙は裏面を上に してくださいね。裏面に水を塗っていきます。画用紙であればザラザラしている方が表になります。

中心から矢印の方向に十字、斜め、と広げていくと塗りやすいかも。端まで濡れたら水が馴染むまで少し待ちます。水のテカテカ光る感じが落ち着いて反射がマットに見えてきたらOK

これをもう1回行います。夏場とかすぐ乾いちゃう時は私は2〜3回濡らしてました。

水が馴染んだら紙を裏返して、パネルの中心に置きます。できるだけ中心に…!
置けたら、かる〜くパネルの縁を抑えて↑こんな感じに跡をつけましょう。

次に水張りテープの出番です。刷毛でテープの糊がついている面を濡らします。
そうすると切手みたいにペタペタになります。この時、刷毛は水気を少し抑えて水がポタポタ落ちないくらいが◎
指で押さえて刷毛をスライドさせると楽かもです。

そうしたら、水張りテープを紙に貼っていきます。一辺ずつやっていきますよ。 折り目から少し下にずらして貼れると、画面にテープの断面が出なくてgood です。紙部分にしっかりくっついたら、そのままパネルを覆うように指で空気を抜きながら全体をくっつけます。
もし、テープがヌルヌル滑って固定できない場合は水のつけすぎなので、テープを少し乾かしましょう。

TADORU
ひらひらなびかせると割とすぐ感触がヌルヌル→ペタペタに変わるよ
 

こんな感じで端っこは折り込んでおきましょう。
できたら、対角の辺も同じように貼っていきます。

Point
隣り合う辺ではなく、対角の辺から貼るのがきれいにおさめるポイント

紙の端にテープをつけるところまでは同じ。でもここからが結構大事です。
今度は紙の 中心から空気を抜きながらピンと紙を伸ばすことを意識 してしっかりテープで固定します。ここで空気が入ってしまうと乾いた時にシワができてしまいます。私は空気を抜く時に直接手で紙を撫でていますが、毛羽立たないハンカチなどを使う人もいます。
4辺全て貼れたら終了です。立て掛けたりせずに平置きで乾かしましょう。完全に乾いたら完成です。

まとめ

今回はアクリル画を本格的に描き始める前に知っておきたい「下地づくり」について解説しました。

◯キャンバス・パネルの場合…ジェッソを塗る!

メリット
・絵の具の発色が良くなる
・表面がなめらかになり描きやすくなる
・時間が経っても絵の具が剥がれにくくなる

 

◯紙の場合…水張りをする!

メリット
・紙がゆがまない
・そのまま飾れる

 

「下地づくり」はこれから描く絵の土台を整える作業です。それぞれ使いたい支持体に合わせた方法をぜひマスターしてみてください。まだどんな作品を作っていくか考え中の人は様々な支持体を試してみるのもいいと思います。素材が違うと、生まれる表現も変わってきますからね。
楽しみながら、自分に合った方法を見つけていきましよう。

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